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この人に会いたい<特別編>
江崎健三社長、安藤喜夫D.C.
「カイロプラクティック」を語る(2)
- 安藤:私は年間二十回ほどセミナーを持っているのですが、生徒の反応によって、こちらもいろいろ考えさせられます。というのは、難しいテクニックに入ってゆけばゆくほど、生徒それぞれが、椎間板、脊髄、靭帯などの基礎知識を持っているかいないかでそのテクニックを把握できるか否かが違ってくるのです。
牽引はとてもシンプルなものですが、いかに基礎を知っているかで、テクニックを使い分けることができるものでもあります。華々しいテクニックではなく、原点に戻って教わるためには、どこかで基礎を学ぶ場が必要ですね。教える側としても教えやすいですから。
でも今のところ悲しいかな基礎を教わりたくても、そういった機会や場が少ないのが現状だと思います。私もこれからはセミナーを行うにあたって、もう一度医学の基礎に戻ったものを作っていきたいと思うし、時期的にもそういった時に来ていると感じます。高度なテクニックに走るのばかりじゃなくて、基礎を見直すことで日本のカイロの底辺のアップ、カイロ全体のレベルアップが期待できるのではないかと思うのですが。もっと基礎が見直されればマクマニスの機能を使ったテクニックは伸びると思います。
- 江崎:私もただ売れればいいというような商売はしたくないと思っています。
- 安藤:いい機械を持ったからといって、いい治療ができるわけではないですからね。販売と教育が並行して進む必要があります。世間の人々や治療家に対して日本のカイロプラクティックの浸透の仕方は、いい部分と悪い部分とがありますし。
- 江崎:カイロプラクティックと病院が同じような立場になれば、患者のためにもなると思いますね。
- 安藤:患者はカイロプラクティックであれ、整形、按摩、指圧と何であれ治りたい一心で来ます。人間を全体としてとらえるカイロプラクティックを各分野の治療家が理解して、採り入れて欲しいですね。日本では職業間のコミュニケーションが不足していますが、だれのための治療なのかを考えてみれば、それは必要なことだと思います。
体制を作り上げて
基礎医学勉強の機会を
- 江崎:患者の立場に立った場合、料金面では一回につき何千円かかります。保険制度に慣れている日本人に、それは抵抗感があると思いますが、保険は毎月個人が一万何千円か負担し、会社も同額負担しています。年間で四十万円近くの保険料を払っているわけです。カイロプラクティックの治療で年間四十万円いくことはなかなかないです。ふつうの会社員は、会社を抜けて病院に行っても給料をもらえますが、自営業だと休んだ分は確実にその分の収入はなくなります。保険に入っていても、長く待たされる病院には行きにくいと思います。
- 安藤:病院で二時間ほど待たされて、三分診察、薬ばかり多量にもらって、病状の説明やアドバイスもない。貴重な時間を割いて通院して、治ったかというと治ってない。それから考えると、私たちカイロプラクター三分間診療よりずっと有益なことをしていると思います。三〜四千円でも私たちは、誠意を持って治療費に見合ったことをやっています。ですから、そのような治療を求めている人は「安いですね」とおっしゃってくれます。トータルで考えると満足してくださる患者さんは多いですね。
広くコックス技術を
- 江崎:ところで、来年十月か十一月頃に愛知県犬山市で日本で初めてコックス・テクニックのセミナーがJCAの主催で開催されますが、コックス・テクニックの日本における位置付けはどうお思いですか。
- 安藤:コックス・テクニックはオステオパシーの世界から入ってきた牽引方法ですが、日本のカイロプラクティックの中で、かなり重要な部分を占めてくると思います。コックス・テクニックが入ってくると、日本のカイロプラクターの基礎知識がとても問題になるでしょうね。そうなると日本のカイロプラクティックの現状も変わってくるかもしれません。私もセミナーで、Dr.コックスの技術を広めたいです。
- 江崎:そのセミナーについてですが、JCAが主体になって開催されることが多いのです、現在のところ。しかし、組織には入りたくないが勉強はしたいという人が多いのです。組織の壁を取り払って、そのような人たちを拾い上げるセミナーは開催できないものかなと思うのですが。
- 安藤:カイロプラクターそれぞれのレベルに合わせたセミナーは多く開くべきだと思います。それを抑制する状況だと、カイロプラクティックは発展しないでしょう。今はそのあたりを模索している段階かもしれません。
- 江崎:体制が出来上がっていないことが一番の原因かもしれませんね。そのせいか、勉強したいという人でも、基礎医学への認識は弱いような気がします。
- 安藤:カイロプラクティックはイコール、カイロテクニックというイメージが日本では強いと思います。しかしテクニックのみを考えている人は伸びないと思います。基礎医学を学ばないで、テクニックに走っているカイロプラクターは制度化されたされた時、自然淘汰されるでしょう。除かれてゆく人が少しでも減るように、もっと基礎を勉強できる機会を与えるべきですね。
- 江崎:そのあたりは現在不十分ですね。
- 安藤:基礎医学を知って初めていろいろなバリエーションテクニックを使い分ける能力が身に付きますから、カイロプラクターとして、それを知るのは義務だと思います。
- 江崎:それには宣伝が大切ですね。技術というピラミッドの底辺をしっかりしておかないと、高く積み上がらないことを、もっと認識してもらうようにしなくてはいけないですね。
- 安藤:その認識はされ始めているように思いますが、認識していない人は制度が出来たら、多分大変なことになるでしょうね。
- 江崎:そうですね。今日はありがとうございました。