トータルボディ・バランシング(TBB)の解説動画
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以下字幕のテキスト
私はケリー・ダンブロジオです。アスレチックトレーナー、理学療法士、中医学の学位、オステオパシーの学位を持っています。オステオパシーは「トラディショナル」「クラシカル」の両方を勉強しました。
このビデオではトータルボディ・バランシングについてご紹介します。トータルボディ・バランシングは、クラシカル・オステオパシーに基づいた方法です。全身の評価と治療を、長いテコとリズミカルなモービリゼーションで行うアプローチです。これをセミナーとDVDシリーズで教えています。
右肩の機能障害がある患者が来たとします。そこに痛みと機能障害を伴う可動域制限があります。問題は、そこでどこを治療するのかということです。痛みの部位を治療するのか、またはその原因を見つけて治療するのか。どのようにしてどこを治療するかがわかるのでしょうか。肩の解剖であれば、膜、筋肉、骨、関節、液体もあり、どれを治療するのでしょうか。評価が、どこを治療するか、何を治療するのかを決めるのに役立ちます。
ダンブロジオ・インスティチュートでは、トータルボディ・エバリュエーション(評価)として、ARTSという特定的な評価法を使います。
ある人を評価したときに、あまり問題が明確にならないことがあります。関節、筋肉、膜のどれが本当の問題なのかがわからないのです。また、その人には、脚、腕、内臓、脊椎などテンションラインがたくさんあります。自動車事故、手術、スポーツ障害、転倒などを経験している場合もあります。このようなケースは何をすべきかがとても難しくなります。筋エネルギーや膜リリース・テクニックで局所的に治療しても、反応が悪いかもしれません。身体に多くのテンションラインがあるからです。このように考えるのがトータルボディ・バランシングのコンセプトです。
トータルボディ・バランシングは5つのフェーズで行う治療アプローチで、仰臥位から始めます。ここでは、脚、腕、体幹、首、頭の仰臥位でのテンションラインを解放するのが目的です。3つの横隔膜の解放、体幹前面の内臓の解放もします。
弓と弦の原理というものがあります。弓のシャフトが頸椎、胸椎、腰椎になります。弦が身体の前面の横隔膜、内臓になります。弦が硬ければ、後面側のテンションを高めます。だから先に前面をリリースします。
次に腹臥位になってもらい、脊椎をゆるめます。胸椎、腰椎、仙骨、仙腸関節などです。
第3フェーズは左右の側臥位です。ここでは腰椎のファセットの特徴に基づき、腰椎に焦点を当てます。
最後のフェーズは座位です。ここでは脊椎除圧と必要な修正を行います。
これらが5つのフェーズです。DVDでは、トータルボディ・バランシングの重要原理を説明し、フェーズごとに区切ってやり方を見せています。その他に、全身評価と全身治療を通しで行う方法も収録されています。全体と詳細を見せるために、2つのカメラを使用しています。全体の動きと、手の動きをわかりやすく見ることができます。
トータルボディ・バランシングは、理学療法士、マッサージ師、カイロプラクター、オステオパス、アスレチックトレーナー、鍼灸師など、どんな治療家にも有用です。特にいろいろな外傷を経験して、テンションラインがたくさんあり、問題をこじらせた難しい患者に役立ちます。
TBBは、既存の治療の代替ではなく、付加し、強化するためのものです。全身アプローチです。
ダンブロジオ・インスティチュートでは、全身評価、全身治療アプローチをします。また、局所的なアプローチも行います。TBB治療後にまだ局所的問題が残っていたら、特定的に治療します。筋肉であれば筋バランシング、膜であれば膜バランシング、関節であれば関節バランシングです。治療を成功させるシステマチックなアプローチです。
基礎レベルの次には、アドバンスレベルがあります。仰臥位、腹臥位、側臥位、座位において、さらにアドバンス・テクニックがあります。腹臥位になれず、側臥位にしかなれない患者がいても、全身治療をそのポジションですべて行えるようになるのが目的です。治療だけでなく評価もその姿勢で行えるようになります。
また、違った姿勢では違ったテンションラインがある場合もあります。肩や首を仰臥位、腹臥位、側臥位、座位で治療する必要があることもあります。基礎レベルもアドバンスレベルもともに、実際の臨床に役立てていただければと思っています。