Dr.ケリーのTBEセミナーに参加して
はやま接骨院 山﨑徹
- 絶対に効かないという治療法はない。
- 絶対に効くという治療法はない。
- 各治療法はお互いにつじつまが合わない。
- 草創期の新興治療法はよく効く。
- 信念だけで治ることがある。
- 以上の結論を包括する統一変数は、治療に対する信仰心である。
上記の文言はアンドリューワイル氏の著書『人はなぜ治るのか?』からの抜粋である。古今東西の代替療法を研究した彼の結論である。すべての代替療法が彼の提言するこれらの法則に一致する。私自身もいろいろな療法を学び実践してきた中で、彼の法則を実感していた。例えばカイロプラクティックとオステオパシー、ともに理論背景が異なり、それぞれに治る時もあれば治らない時もある。結果を出している先生は、心からその治療術を愛しているし、信じている。このように世の中の様々な治療法は彼が発見した法則によって説明できると信じていたのだが、ケリーのTBEセミナーを受講し「各治療法はお互いにつじつまが合う」という考えに至った。TBEとはエネルギー治療の一技法である。その根本にあるのは量子力学であり、それを派生させる事によりエネルギー治療に科学的根拠を与えている。種々の治療法の共通項も量子力学で説明できるものであった。詳しくはケリーのセミナーに出席して確認してもらう他はないが、ケリーのセミナーの根幹は科学的であり、世間的に一見怪しい感じがするエネルギー療法ではあるが、ケリーの提供するエネルギー技法は、オカルト、スピリチュアルの要素がほとんどないのである。
彼は、シーム(すきま)を重要視していると思う。現代物理学がエネルギー治療の原理をあきらかにした。量子力学の世界では原子の中の原子核の間隔は途方もなく広い。例えば原子核がサッカーボールだとすると原子は国立競技場の様な広さであるらしい。ここに重要なエネルギー治療の肝がある。この現象を拡充することにより、様々なエネルギーワークが可能になるのである。
今日多くの人々は西洋医学の恩恵を受け、我々の代替療法は主流である西洋医学からすれば、非常に小さいものであろう。患者の不定愁訴に対して西洋医学では納得しない患者が我々の所に来るのである。こういった少数の患者のニーズに答えてきたのも我々である。シーム(すきま)を使って治療する。本当の意味での、すきま産業である。
ケリーのTBEを受講するに当たり、『エネルギー療法と潜在能力』(絶版)『エネルギー医学の原理』(エンタプライズ刊)『エネルギーメディスン』(ナチュラルスピリット刊)が推奨文献として挙げられていた。『エネルギー医学の原理』ではセラピストが施す治療原理が種々のエネルギーによって成り立っていることを明らかにし、『エネルギーメディスン』では、その運用方法を示した。これらの文献にあたることにより、TBEの有効性とその未来が確信出来るであろう。
また『インナーフィジシャン』(ジョン・E・アプレジャー著)にアプレジャーDOとバラルDOとのエピソードがある。そのくだりは、バラルDOは被験者の体表に手をかざすだけで病変部位を見つけ、発症時期の特定、手術歴などを言い当てた。アプレジャーDOは、頭蓋を触診しただけで、胃の病変を見つけた。バラルDOは内臓マニピュレーション、アプレジャーDOは頭蓋仙骨セラピー、共に診断方法に違いがあるがこれらの技法に対する模倣もケリーのTBEにより適応可能なのである。ともあれ今まで神業の様に思われてきたオステオパシーの技法もTBEにより誰でも無理なく学び、実践出来る様になっている。次回のTBE2は、テーマは内臓と感情らしいが、ケリー流にどういった切り口で内臓と感情を講義してくれるのか、また新たな技法を学べる事を楽しみにしている。『体からのシグナル』(バラル著)によれば内臓器官と感情とは密接な結びつきがあり相互に連関し合っている。それらがバランスを取ることにより効率よく人体は活動する。予習として最適の書であろう。ともに科学新聞社刊である。
- 山﨑 徹(やまざき・とおる)
- はやま接骨院(高知県高岡郡)院長
- 柔道整復師
- 全日本オステオパシー協会(AJOA)大阪支部長
- 塩川カイロプラクティックスクールガンステッド学部卒