寄稿 新生JSCC 学問的研鑽と情報共有の場として発展目指すカイロプラクティックジャーナル

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一般社団法人 日本カイロプラクティック徒手医学会 副会長兼事務局長 木村功
カイロジャーナル88号 (2017.2.19発行)より

1999年に発足した日本カイロプラクティック徒手医学会(JSCC)も昨年11月に一般社団法人に移行いたしまして、会務形態が大きく様変わりいたしました。

法人化に至るまでには紆余曲折があり、多くの役員の先生方の多大な努力の末、やっと辿り着いたという感じです。従来のやり方をそのまま踏襲できない部分も多々ありまして、現在も会員の皆様にわかりやすいシステムづくりを目指し、役員一同鋭意努力しております。

現在の役員は代表理事・会長として中川貴雄DC、また理事としては副会長・会計に伊藤彰洋DC、副会長・編集委員長に荒木寛志先生、副会長・事務局長として私、木村功、広報・企画として伊澤勝典先生の5名と櫻井京DC、小倉毅DCのお二方に監事をお願いしております。そして任意団体であった時の評議員の先生方は丁度改選の時期でしたので、入れ替わりもありましたが、法人の代議員に就任して会務を担っていただいております。

法人化は大変でしたが、これはそもそものスタートラインについたに過ぎません。学会が今後発展して行く礎としての法人化ですが、最も大事なことはカイロプラクティック業界の発展です。理学療法士や放射線技師など医療業界は言うに及ばず、医業類似行為である柔整や鍼灸も、その業界に特化した単独の全国規模の学会を有しております。私の調べた範囲では大工さんの学会は見当たりませんでしたが、鍛冶屋さんの学会はあるようです。いわゆる匠の世界では個人の技量が全てですので、職人さんには学術活動をするという素地がないのかもしれませんが、技術の向上や安全性などを広く業界で一般化するためには学術活動による各人の研鑽と共有が最も早道であり、そういった形の学問と技術が融和した学会も見られます。それぞれの業界を挙げての科学的な根拠に基づく自主的な取り組みを行うことで、社会的な信頼も得られます。学会活動というと敷居の高いもののように思われがちですが、実は我々の身近な現象に対する考察の積み重ねだと言えます。

言い換えれば、カイロの立場から臨床現象をわかりやすく説明していくことが必要な訳で、単に現代科学的な視点でカイロを説明するのではなく、カイロが現代科学では説明しきれないということを説明することも大事だと思います。

日本国内での学術活動と全国の臨床家の学会参加は、国内においては技術の裏付けとなる研究活動の継続により信頼性・安全性の向上に結びつき、世界的に見れば日本にはカイロの公的資格やそれに則した国家公認の教育機関はなくても、日本のカイロの臨床家は日々カイロの学問的な研鑽をたゆまず行なっているという点で誇れるものになると思います。この積み重ねはいずれ世界的にも通用する日本独自のカイロの体系化につながると考えております。また、自分たちの施術の根幹を他者の研究に任せるだけでなく、自分たちで作り上げて行くという取り組みを続けることが、今後のカイロの発展になくてはならないものと思います。

例えば、多くの先生方が日々の臨床で非常に有効であった手技だけでなく、ヒヤリとしたような症例や現代医学では説明できないようなカイロの独自な観点があるでしょう。それらの知見を学術大会で発表し、論文化して残すという作業は非常に地道で日々の臨床自体にプラスにならないように思えますが、その知見を先に理学療法士が論文化してしまうと、おそらく理学療法として認知されることになるでしょう。

カイロのアプローチには、現代医学にはない特異な発想と手技があるわけですから、それらを会員の皆様と掘り起こしてきちんと社会に認知される形で提示して行くことが学会の責務であると思います。

それだけでなく、年に一度の学術大会では日本各地の先生方と一堂に会して語り合うことは大きなインスパイアになりますし、出来得れば業界のすべての皆様とこのような学会活動を通じて一緒に前に進んでいければ、カイロ業界もさらなる発展を遂げることができると確信しております。

日本のカイロの明るい未来を築くためにも、一人でも多くのカイロ臨床家の先生が学会活動に参加していただけますことを切に望みます。

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