第28回 臨床編《2》カイロプラクティックジャーナル

  第28回 臨床編《2》

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いい姿勢でいこう 第28回 臨床編《2》2017.09.05

右臀部から右下肢全体の痛み
習慣改め好調を維持
碓田拓磨
カイロジャーナル89号 (2017.6.19発行)より

症例
YSさん49歳 建設会社勤務

YKさんが最初に来院した時は、右臀部から右下肢全体の痛みで歩くのがやっとの状態でした。

初回来院が2016年5月25日。その半年前から痛みだし、どんどん悪化してきているということでした。建築設計の仕事で、朝から晩までパソコンに向かう毎日。座っていると痛みが増すので、頻繁に立ち上がるようにするものの、仕事に支障が出てきたということでした。

初回来院時の写真①を見ると以下のような問題が浮かび上がります。

初回来院時の写真①
写真①
  • 上体が左に片寄る
  • 頭部が左に傾く
  • 右のASISが下がっている(実際に右短下肢がある)
  • 右膝が内側に入っている(X脚)

という状態でした。

特徴としては、上体が左に寄っているものの、肩の傾きはそれほどでもない点です。

当初はこれが痛みを避けての姿勢なのか、元々そうなのかは分かりません。

この写真と、姿勢習慣のアンケートを照らし合わせ、次のような解説と指導をしました。

  • 普段右脚を上にして頻繁に脚を組む習慣がある⇒右短下肢を助長するので止める
  • イスに腰掛ける際、左側に寄りかかることが多い⇒状態が左に片寄るので止める。どうしても寄り掛かるなら右に寄りかかるようにする
  • 荷物を持つ際は左側に荷物が来るようにして、上体が右に片寄るようにする
  • 撮影した写真を毎朝必ず見るようにする

経過

初回来院時と4月25日段階での数値の変化は、表の通りです。姿勢分析写真は、初回来院時写真①②から、写真③④のように変化しました。

写真①(初回来院時)
写真①

治療後の写真
写真③

写真②初回来院時
写真②

写真④治療後の写真
写真④

正面 写真①と③の比較
H28年5月25日 H29年4月25日
眉間位置 左に3.3㎝ 左に1.9㎝
肩位置 左に2.3㎝ 左に0.7㎝
腰位置 左に1.6㎝ 左に0.7㎝
耳水平角 左上がり3.5度 右上がり1.2度
腰水平角 左に1.6㎝ 0度
耳位置 前方に7.6㎝ 後方に0.3㎝
肩位置 前方に7.5㎝ 後方に1.4㎝
腰位置 前方に7.3㎝ 前方に1.5㎝
側面 写真②と④の比較


※株式会社ジースポート社製 ゆがみーる使用

アジャストはC2のPLI、C4のPR、T4のPRS、右のPI腸骨と左のAS腸骨に行いました。

当初の状況をペインスケールで10割とすると、通われて約5週間後の7月4日には、0.5割まで改善しました。

その後は、油断して長時間脚を組んで座っていると脚が重くなったりするようですが、好調を維持できています。とはいえ、やや上体が左に寄る傾向と、右ひざが内側に来る傾向があるので定期的なメンテナンスを続けていただいています。

碓田 拓磨D.C.(うすだ たくま)
1967年 長野県生まれ
1992年3月 早稲田大学社会科学部卒業
1992年4月 (株)リクルート入社
2001年3月 米国アイオワ州パーマーカイロプラクティック大学卒業
2002年2月 虎ノ門カイロプラクティック院開業
2005年4月 早稲田大学オープンカレッジ「姿勢と健康」講師
2010年 一般社団法人日本姿勢教育協会理事
「健康な人はなぜ姿勢がいいのか」(主婦の友社)
「即効1分間キャットレッチ 肩こり・腰痛 こんなにラクになるなんて(青春出版)
テレビ出演
となりの子育て(NHK教育)
世界一受けたい授業(日本テレビ)
ホンマでっか!?TV(フジテレビ)
あさイチ(NHK)
はなまるマーケット(TBSテレビ)
首都圏ネットワーク(NHK)
あげるテレビ(フジテレビ)

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