《第12回》本場アメリカを感じに行こう!カイロプラクティックジャーナル

  《第12回》本場アメリカを感じに行こう!

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岡井健DCのI Love Chiropractic ! 《第12回》本場アメリカを感じに行こう!2009.03.18

本場アメリカを感じに行こう!
カイロジャーナル64号(2009.3.18発行)より

人というのは実に飽きっぽく、また面倒くさがりだ、というのが常日頃からの私の意見である。いやいや、自分は勤勉だ、と言う方もいると思うが、それはごく少数派であろう。それに、勤勉だと言ったって、それは自分が好きなことに限ってのことであって、興味のないことに対しては、いたってずぼらだという人も多い。

私も飽きやすく、恐ろしいばかりの怠け者だが、好きなカイロプラクティックに限って言えば、自分でも驚くほどまめな部分を持っている。毎週、業界内の仲間に向けて「今週のトピック」というEメールメッセージを発信しているのだが、これは記録に残っている限り2005年の8月から現在まで、1回も欠かさずに続けている。

そのとき思ったこと、考えたこと、伝えたいことを書いて配信しているのだが、こんな地味な作業をなぜ3年半も毎週欠かさずに続けることができたのか、その理由をふと考えてみた。それはカイロプラクティックが大好きな仲間たちに、伝えたいことがあるからに違いないと思った。最初は30名ほどだったメールリストも、希望者には誰にでも送っているので、今では160人前後になっている。増えたり減ったりしながらも、その辺りで推移している。

私は元々、人に何かを伝えたいという欲求が人一倍強いほうである。お節介焼きで何か良い情報があると、つい人に教えたくなる。迷惑がられることもあるかもしれないが、性分なのでどうしようもない。いい情報を独り占めするより、皆で分かち合いたいと思うのだ。そして、私が苦労して得た知識や技術を、より多くの人に知ってもらい、無駄な苦労を減らすことができればと願うのだ。

日本では見せない姿

そんな私が最近特に日本の皆さんに伝えたいと思っていることがある。ぜひ本場アメリカのカイロプラクティック業界の雰囲気を肌で感じて欲しいということだ。これを日本カイロ業界のなるべく多くの人に経験していただきたいと願っている。

日本の狭い業界で生きていると、どうしても肩肘を張ったり、斜に構えたりしてしまう方が多い。不思議なことにそんな方も、海外でお会いすると実に素直な自分をさらけ出してくれる。日本にいるときとは違う、その方の素晴らしい側面を垣間見ることができる。

それだけ普段は鎧をかぶって生きていかなきゃいけない社会なのか、と可哀想になることもあるが、アメリカに来て開放感と新鮮な興奮に包まれることによって、素の自分が表に出てくるのだ。人間はそんな素直なときこそ感受性が高まり、より多くのことを吸収できるものだ。

皆さんも海外旅行などに行くと開放的になり、素直な自分を発見した経験はあると思う。そのような開放的で感受性の強い精神状態でアメリカのカイロ業界の雰囲気を肌で感じてもらい、十分に吸収して欲しいと思うのだ。

昨秋パーカーセミナークラブ・ジャパンのメンバーが、頑張って東京でセミナーを開催してくれた。その努力の灯を消すことなく続けていくためには、まず多くの日本のカイロプラクターが本場のパーカーセミナーに参加してみることだと思う。パーカーセミナー・ラスベガスは、パーカーセミナーの中でも最も大きく、毎年世界中から8000人規模の参加者が集まる一大イベントだ。

私も何回か参加したことがあるが、そのエネルギーたるや度肝を抜かれる。見渡す限りカイロプラクターやスタッフたち、カイロプラクティックを愛する人たちだらけなのだ。そんな状況に身を置いたときの興奮といったら、パーカー・ラスベガス以外では絶対感じることのできないものなのだ。

自分にはこんなに大勢の仲間がいるんだ、という実感から胸が熱くなる。あまりにもスケールが大きすぎて、普段自分がどんなに狭い世界で、狭い見識で、どうでもいいような見栄にすがって生きているのかと気づかされる。まさに井の中の蛙だ。

五感で感じる衝撃

世の中にはいくら言葉で説明されても、実際にその場で経験してみないとわからないということがたくさんある。パーカーセミナーもそのようなものの一つだと思う。言葉がわからないと躊躇される方も多いと思うが、言葉がわからなくても肌で感じるものがある。言葉がわからないからこそ五感で感じ取ろうとするのだ。

私もアメリカを初めて訪れたときのことを思い出す。英語が全くわからずに情けない思いもしたが、強烈な印象を肌で感じたことを20数年経た今も忘れない。見るもの聞くものすべてが新鮮で、あまりにも多くの情報が五感を通して脳に流れ込んできて、夜はクタクタに疲れて眠ったものだ。

通訳をつけて事細かに説明してもらうより、わからないなりに必死で理解しよう、わかろうとしようとする気持ちは大切なのではないかなと思う。そうやって五感を研ぎ澄ませて感じることは通訳を通して聞かされる話より大きな意味を持つと思う。

こんな私も初めてアメリカに来たときは、いつになったら英語がわかるようになるんだろう、と気が遠くなったことを覚えている。それでも絶対この国で何かを発見したい、違う自分の可能性を発見したいと強く思って留学へと進路が変わっていった。そして、そこでカイロプラクティックというものに出会い、多くの方の手助けを得て、今はカイロプラクターとしてアメリカの社会で生きている。

私は自分が感じたのと同じような衝撃を多くの方に感じて欲しい。そして新たな自分の可能性、カイロプラクティックの可能性、そしてこれからの日本のカイロプラクティックの方向性を考えて欲しいのだ。

狭くストレスの多い日本業界で疲れきった頭で考えるのではなく、新鮮な環境でより大きなビジョンの元に考えるべきことがたくさんあると思う。私のコラムも疲れきった夜に読むのではなく、清々しい朝日が射す中で読んでいただければ、より私の本意が歪曲なく心に伝わるはずだと思っている。

学位では判断しない

パーカーセミナーは来る者を拒まない。学位がどうのこうのと気に病むのは勝手だが、パーカーセミナーは気にしていない。パーカーセミナーに参加すれば学び続けることの素晴らしさや必要性を感じることだろう。もっと勉強したいと思うはずだ。自分の知識や教育が十分じゃない、ということを思い知るので勉強する意欲が湧いてくる。

この私だってそうだ。セミナーはただ学びにいくのではなく、刺激を受けて学んだものをもっと自分で掘り下げ、自分に足らないものを自覚し勉強していくためにあるのだ。これは使える、これは使えない、難しい、できそうだなどと選り好みをしに行く場ではないのだ。

そういった意味で、世界で一流の講師陣が勢揃いするパーカーセミナー会場を、自由に自分の好きなように歩き回って、大いに刺激を受けて欲しいと願う。困ったときは、私をはじめ仲間たちが親切にアドバイスするので途方にくれる心配もない。私たちは実に優しい仲間なので、遠慮せずに頼っていただければ最善のアドバイスをさせていただく。

私は皆さんを学位で判断しない。それよりも学ぼうとする真剣な姿勢で判断する。私の仲間にはそうやってやがてD.C.になった者が何人もいる。あのとき、D.C.じゃないからと相手にしていなかったら、ヘソを曲げて別の方向へ走っていたかもしれない。日本のカイロ界はまだまだ混沌としている。そんな中で頼りになるのは、自分が学んだ教育と身につけた知識と技術だけなのだ。

少しばかり偉そうではあるが、長年アメリカで苦労したこの私が心から日本カイロ業界に助言したい。心を素にして、肌で本場アメリカのカイロプラクティックを感じてみて欲しいと。そのためには、微力ながら私は協力を惜しまない。皆で2010年のパーカーセミナー・ラスベガスに参加しよう。

大勢で日本から参加すれば、パーカーセミナーもビックリして日本への認識を改めることだろう。なんと愉快な話だろう。特別扱いをしてもらうのではなく一参加者として自由に会場を闊歩し、肌で本場を感じて見て欲しい。そのとき、私が言っている本当の意味が初めてわかってもらえるだろう。

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