カイロジャーナル72号カイロプラクティックジャーナル

  カイロジャーナル72号

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カイロジャーナル72号

72号(11.10.28発行)
徒手医学会
論壇
ソウルナイト「またも大盛況」
東日本大震災復興支援
吉田美和DC来日セミナー
効果を示したカイロ神経学?ナショナル大学のフロリダ校 CCEアクレディテーション獲得
9月18日はカイロデー

徒手医学会
木更津市で会員が交流
「睡眠と栄養」理解深める10月22日、23日の両日、第13回目となる日本カイロプラクティック徒手医学会(JSCC、中川貴雄会長)の学術大会(小田桐修二大会長)が千葉県木更津市で開催された。今回は、大藤晃義JSCC副会長が長年教鞭をとり、現在も名誉教授を務める国立木更津工業高等専門学校の総合教育棟を借りて行われ、懇親会も学校食堂で行われた。気取らない雰囲気の中、日本各地から集った会員たちは交流を深めていた。今回の招待講演は、愛知医科大学医学部教授・日本睡眠学会副理事長の塩見利明氏による「睡眠時無呼吸と生活習慣病」、金城学院大学薬学部特任教授・脂質栄養オープンリサーチセンター長の奥山治美氏による「コレステロール仮説の崩壊と脂質栄養の新方向」の2題だった。大会テーマ「健康のファンディメンタル」に沿う、健康の土台となる睡眠と栄養のユニークな最新情報の講義だった。来年の学会は、大会長を小倉毅氏(日本カイロプラクティックドクター専門学院仙台校校長)が務め、仙台で開催される。小倉氏は「東北大震災から7カ月が過ぎ、復旧も進み、活気のある状況です。この元気を取り戻した仙台の状況をぜひ学会の皆さんに見に来ていただきたい」と語る。大会テーマは、幅広い見地からの研究発表を期待し「Chiropractic Science:カイロプラクティックを科学する」を予定している。大震災から1年半後、より一層復興の進んだ仙台で、東北地方で初めての徒手医学会の盛り上がりに期待したい。

論壇
CCEの新基準施行目前
カイロ独自思想は封印される米国カイロプラクティック教育評議会(CCE)の教育の新基準への変更日、2012年1月が目前に迫ってきた。この「CCEアクレディテーション新基準」は、カイロプラクティック界に広く意見を募り、何年もの年月をかけて策定されたものであるが、未だに反対意見が多く、議論が続いている。本紙の海外ニュース記事はちょうど1年前の11月3日発行の第69号で、パーマーウェスト大学のジェラルド・クラム学長(当時)がカイロの独自性がなくなるとして強く反対する意見を発表したことを伝えた。クラム前学長の意見要旨は、1.本来のカイロをカイロ医学として認識する傾向になっている2.サブラクセーションという用語がことごとく削除されている3.カイロの薬不使用の原則が削除されている4.カイロ一次医療の定義から一般的な一次医療に変更されている、などカイロの独自性を打ち消す変更があり、これらに反対するというものであった。この意見はCCEが設定した意見募集期間中に提出されたが、基準案は大きな変更が行われることなく採択され、来年1月から施行されることになっている。しかし、現在でも米カイロ界では新基準を疑問視する意見も多く、基準を不採用にさせるために米国教育省に意見するなどの動きもある。来年1月に新基準に移行した以降も、こうしたCCE基準見直しの要求はカイロプラクターから提出され続けるだろう。一部のカイロプラクターの新基準への強い反対はあるが、カイロ教育機関は、大学評価機関から認証の受けられる教育プログラムを実施することが必至である。ここ10年を見ても、米国の歴史あるカイロ大学でCCEや州の大学評価機関の認証取り消しや保留に遭い、教育課程の見直しを迫られた例がある。今回の改訂により、カイロ大学は独自教育よりも「科学的裏付けのある一次医療の提供者の育成」教育へとさらにシフトしていくだろうと予想される。このような米国のカイロ教育の傾向は、カイロの公的・私的保険適応のためには追い風となることだろう。約5万人いる米カイロプラクターの患者獲得には必須のものと思われる。しかし、これは米国へのカイロ留学生にとってはどういう意味を持つのか。授業の大部分が、言葉は悪いが医学部の二番煎じの内容であるなら、留学する目的に合うのか。自国に戻っての自費治療で通用するカイロが学べるのかという不安も出てくる。カイロは米国の医療システムの中だけの存在ではない。CCEには「世界の人々の健康に資する哲学・科学・芸術である」ことを念頭に置いた魅力ある基準作りを求めたい。(本紙編集部=櫻井京)

ソウルナイト「またも大盛況」
恒例3氏のほか一般の人登壇
会場内外で熱気冷めやらず10月15日、曇天の空を振り払うかのような熱気に包まれた恒例のイベントが東京・港区の日本赤十字社(日赤)ビルで行われた。「カイロプラクティック・ソウルナイト」である。約1年ぶりの開催となった今回は、この3月に仙台で被災した小倉毅氏、東京・町田市で開業する上野幸雄氏、そしてサンフランシスコから駆けつけた岡井健氏と、これまで同様の3人のカイロプラクターによるスピーチのほかに、新しい試みとして2人の一般の方がスピーカーとして登壇した。1人はカイロプラクターの妻で自身も看護師として長く医療に携わる後藤峰佳さん、もう1人は上野氏の患者さんで実際カイロプラクティック・ケアを受けている大藤史さん(元・東京パフォーマンスドール)、彼女らから見たカイロプラクティックが切々と語られた。会場は用意したイスがすべて埋め尽くされるという大盛況で、10人以上のDCが顔を揃え、恒例となっている当日売りの記念Tシャツを着た参加者が至るところの席を埋め、司会の碓田拓磨氏の名調子に否応なくボルテージは上がる一方であった。終了後は、日赤で開催したときのお定まりコース、芝公園での打ち上げである。特に今回はシオカワスクールの吉田哲也氏が、2週前の碓田氏の挙式の二次会で得た景品、20ケース(400本)のビールを気持ちよく提供、東京タワーのネオンをバックに積み上げたビール瓶を囲んでの大宴会となった。またこの日の朝から夕方にかけては、会場を異に「岡井健氏によるマイプラクティス3」が行われた。こちらもちょうど満席であった。この日のイベントの告知はどちらもWebと口コミによるものであったが、用意した席が満席になるという盛況となった。
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東日本大震災復興支援
チャリティーセミナー第2弾
4DCがそろい踏み7月31日、東日本大震災復興支援のためのチャリティーセミナー第2弾!「カイロプラクティック・フェスティバル アゲイン」が東京・港区の日赤ビルで行われた。これは一昨年、科学新聞社のカイロ事業開始40周年を記念し、東京・大阪の両会場に延べ300人の参加者を集め、盛大に行われた同フェスティバルにあやかり、今回も多数の参加者を集め、できる限りの支援をしようということで企画されたものである。当日、塩川満章氏の「素晴らしきカイロプラクティック人生」に始まり、小倉毅氏が8月に科学新聞社から出版された『ドロップ テクニック ハンドブック』の内容を元に「ザ・ドロップ・テクニック」を、そして昼休みを挟んで、栗原修氏が「ハムストリング筋をみる あらゆる可能性を探る」と続き、最後に中川貴雄氏の「坐骨神経痛」まで、4DCによる一気のそろい踏みであった。この日の収益金は約30万円、5月8日の第1弾と合わせると約50万円となる。この収益金を当初、仙台で被災した小倉氏に管理を委ねる予定であったが、小倉氏から「仙台も予想以上のスピードで復興しています。私がお預かりするより科学新聞社さんが預かって、私としては、日本のカイロのために有効に使われてはどうかと思いますが」と提案があり、その使い道を検討中である。とはいえ震災復興支援チャリティーセミナーで上がった収益金である。復興関連のいくつかの候補の中から支援していただいた方々に納得していただける形で近々結論を出し、その内容をジャーナル・ドットコムで紹介する。本紙では次号での紹介となる。

吉田美和DC来日セミナー
待望の「踵に対処法」
参加者の子供が効果実感米国ロサンゼルスで開業する吉田美和DCの来日セミナーが9月3日、4日の2日間東京で行われた。今回のテーマはかねてから要望の多かった「小児の対処法」。小児特有の問題と検査法、治療法について講義と実技デモンストレーションが行われた。参加者は男女がほぼ半々。自分のオフィスで今後小児の治療を取り入れて行きたいとの思いで参加した治療者がほとんどだった。治療デモは事前に頼んでいた参加者の子供たちを診断、治療した。5カ月の幼児、7歳と11歳の兄弟が協力してくれた。幼児の検査では、本や学校で学んでも実際にはなかなか見ることができない幼児期特有の原始反射や股関節の整形外科検査などが見られる貴重な機会となった。脊椎のパルペーションも行い、最後にアクチベーターを使った軽いアジャストを実施した。7歳と11歳の兄弟は、この時期に問題が顕著になる姿勢について、特に焦点を当てて評価、治療を行った。吉田DCは「実際の検査も大事ですが、オフィスに入ってきたときからよく観察して姿勢の特徴や問題を見極めることがとても大切」と自然な動きの中で観察することの重要性を強調した。また、治療の際は子供に身構えさせず、素早くアジャストすることが重要として、テーブル上で、そしてハグ(抱きしめる姿勢)での鮮やかなアジャストを披露。子供たちも姿勢がよくなって行くのが実感できたようで、初めは人前で緊張していたものの最後にはリラックスして治療を受けていた。吉田DCは四児の母。オフィスで小児や妊婦を診る機会は多い。経験に裏打ちされた子供や妊婦の扱いは、デモを見るだけでも大いに臨床の参考になるだろう。来年1月28、29日に再来日し、妊婦ケアのセミナーを開催する予定である。

効果を示したカイロ神経学
アイスホッケー選手現役復帰北米のプロアイスホッケーリーグ(NHL)、ピッツバーグ・ペンギンズの主将シドニー・クロスビーが、カイロ神経学のリハビリの効果もあり、9月からチームに復帰した。今年1月、プレイ中の接触で脳震盪を起こし、その後の試合はすべて欠場、NHLのベストプレーヤーの不在にファンからは心配の声があがっていた。クロスビーは、カナダ出身のホッケー選手で、NHL史上最年少の19歳でペンギンズ主将に抜擢され、常に高得点をあげてきたスター選手。2010年のバンクーバーオリンピックでは、カナダ対アメリカの決勝戦で、延長で決勝ゴールを決めカナダに金メダルをもたらし、カナダ国民を沸かせた。9月に行われクロスビーの現役復帰の記者会見には、二人のリハビリ担当医が同席した。カイロプラクティック神経学のドクター・キャーリックと、脳震盪のリハビリに多くの実績のあるドクター・コリンズである。キャーリックは「脳は、考える、書く、読む、見るなどを可能にする。しかし、脳がすることには、空間把握がある。シドの場合、それが正確ではなかった。彼は適切に空間認識ができなかった。だから私たちがやったのはシドの中で空間が適切なグリッドで認知されるように再プログラムすることだった」「シドの問題は、神経のつながりが途絶えていた期間に間違ったパターンができてしまい、それを崩さなくてはならないことだ。最初にシドに会ったときは、それぞれの機能が全くかみ合ってなかった。今は上手く働いており、それにさらに慣れる必要がある」などとリハビリの現状を語った。ドクター・コリンズは、臨床心理学の博士号を持ち、スポーツ選手の脳震盪リハビリの専門家として多くの実績を持っている。「シドがフェラーリのようにすばらしいパフォーマンスができたのは、彼の前庭機能が特別優れていたからだ。それがまた機能するように我々はリハビリを重ねてきて、8割方戻ってきている」と語った。クロスビーは記者会見で「朝起きて可能な限りのことをして、気分良く過ごせるよう願ってリハビリをしてきた。ここ数週間は、頭痛、めまい、集中力欠如など脳震盪の後遺症の症状はなく、とてもよい状態だ」と報告した。チーム練習後のインタビューでは「とにかく一つずつ進むだけだ。今は長い間練習できなかったので、チームメイトと練習できることがとてもうれしい。毎日ただ練習できることに感謝している」とコメントしている。ペンギンズのチームメイトは「シドがチームリーダーだ。彼が早く復帰することを願っているよ」「彼はすばらしい技量とショットを持った選手。調子はよさそうに見えるよ」と主将の復帰を願い、気づかっている。北米ホッケーファンも24歳の天才プレイヤー、クロスビーの復帰を心から応援しているだろう。カイロ神経学の効能効果という観点からは、今シーズンのクロスビーのパフォーマンスが評判に影響するかもしれない。絶好調なら当然大いに注目されるだろう。レギュラーでなくとも現役に留まるなら一応の評価となるのだろうか。しかし、日常生活に支障があるレベルからの回復である。標準現代医学で不可能だった回復を見せたこと自体、カイロ神経学の大いなる可能性を示すものだろう。クロスビーの復帰を祝福したい。

ナショナル大学のフロリダ校 CCEアクレディテーション獲得
ナショナル健康科学大学(NUHS)のフロリダ・キャンパスのDCプログラムが、今年の7月にCCEのアクレディテーションを獲得した。フロリダ・キャンパスは、フロリダ州のセントピータースバーグ大学(SPC)にあり、2009年に開校した。NUHS学長のドクター・ウィンターステインは「CCEの認証を受けてたいへんうれしい。フロリダ・キャンパス、イリノイ・キャンパスともに、高水準の教育プログラムを提供し続けて行きたい」とコメントした。フロリダ・キャンパスは、SPCとの大学パートナーシップ契約により始まったもので、9月、1月、5月に入学が可能。各学期の受け入れ学生数は、最大20人と少人数制である。インターンをイリノイ・キャンパスで行うこともでき、証拠に基づいたプライマアリケアとしてのカイロプラクティックというNUHSの特徴ある教育を受けることができる。

9月18日はカイロデー
みんなで楽しんだ「感謝と普及のイベント」報告9月18日、この日はカイロプラクティックに携わる者にとって特別な日だ!ファースト・アジャストメントが行われた日、つまりカイロが生まれた日、カイロデーである。毎年、様々な場所で様々な祝いがあると思うが、今年、科学新聞社の会議室では伊藤彰洋氏が、ゼミの冒頭「皆さん、今日は何の日かわかりますか?」と参加者に問いかけ、「DDがいなければ私はこの職業に就くことができませんでした。とても感謝しています」とカイロデーにまつわる話をしてから、自身がこの朝、名古屋からの移動中に購入してきたシャンパンで、参加者全員と乾杯をしてから講義を始めた。南の沖縄では1週間遅れの25日、稲福仁幸氏が12回目となる「レキオ カイロデー」を行った。今回、稲福氏のシオカワスクールの後輩で、北海道千歳市で開業する吉田雅信氏が、3回目となる協力参加を果たした。そのもようを吉田氏が紹介する。また北の札幌では同日、北海道代替医療協会(会長=川人誠司)が主催する第1回「さっぽろ元気まつり」が盛大に行われた。このもようは、斎藤信次が紹介する。それぞれ若干の趣旨の違いはあるものの、どちらも自分たちが楽しむ以上に患者さんや一般の方に楽しんでもらおう、少しでも理解を深めてもらおうという感謝と啓蒙の素晴らしい活動だ。12回と1回、回数に隔たりはあるものの、ずっと続けていってほしいイベントだ。沖縄で「カイロデー」
院長の思いが患者さん浸透
施術と宴が完全一体にレポート:吉田雅信レキオ カイロデーは今年で12回目を数えるイベントだ!私がお手伝いをするのは3回目、今年初めて夫婦で参加した。それは今年7月の私の結婚式に、稲福氏がわざわざ北海道まで足を運んでくれたときからの約束だった。レキオ カイロデーは通常大人3000円の施術代が2000円、子供2000円が1000円という感謝価格となっている。施術室内は思いっ切り飾り付けられ、表には本日カイロデーの旗と万国旗が飾られている。カイロ関連のポスターはもとより、この日はお祭り色一色、風船やモール、ところどころにバースデーの文字が配置され、カイロデーを彩っている。馴染みの患者さんたちが来始め、盛況のうちに治療が進んでいく。混雑時には表に列ができる勢いだ。そのため、患者さんのお子さんたちが飽きないように、かき氷やプールに水風船を浮かべ、遊びながら親御さんを待つことができるようになっている。そして、何と言ってもカイロデーの本番は夜からだ。施術室横の広間を使い、一角に即席バーや炭火焼コーナーが設けられ、約100人の患者さんが集まり、飲めや歌え、踊れの宴が始まる。1人1品の持ち寄り制になっていて、豪華な料理が中央のテーブルに並ぶが、圧巻は何と言ってもブタの丸焼だ。運営は院長、スタッフともにボランティアだ。ボランティアの顔ぶれは、馴染みの患者さんや県外からこの日のために馳せ参じたカイロプラクター有志である。院長の挨拶から始まり、患者さんでプロミュージシャンの方が沖縄の初秋の夜を心地良い音楽で包んでいく。それを聴きながら、飲んで、食べて楽しい会話で盛り上がっていく。そして劇の始まりだ。12回目のハービー・リラードとDDパーマーのカイロ誕生秘話である。耳の聞こえないハービーに話しかける。ハービーは何度もDDに聞き直す。DDは閃き、ここに顔をこう置いて・・・バキッと首の矯正音がする。カイロプラクターなら誰でも知っているアレである。劇の終了後は院長から、日頃の感謝の気持ちが患者さんに伝えられ、日本全国から届いた特産物を振る舞うのだ。レキオ カイロデーはカイロプラクティックの誕生に感謝し、患者さんに感謝する日だ。そして何より、皆でワイワイ楽しむ大宴会なのである。ここに来るたびに思う。院長は患者さんに愛され、患者さんを愛している。そしてカイロプラクティックを愛している。今回は特にこんな経験をした。祭りの後半、沖縄の日差しでバテた私たち夫婦が祭りを抜け出し施術室で休んでいると、反対側のトイレ近くから患者さんの声がする。その話を聞くとはなしに聞いていると、患者さんが自分が連れてきた人にこんな説明をしていた。「カイロは薬を使わないで、ズレている骨を矯正して自然治癒力を高めるんさー」「ここの院長は患者さんのためと言って、高い機械を惜しげもなく買うんさー」「やっぱり自然治癒力がイチバンさー」。私は後頭部をこん棒で殴られたような衝撃を受けた。カイロプラクティックが、院長の思いが、見事に患者さんに浸透しているのである。頭の下がる、思わず目頭が熱くなる感動を覚えた。今年も最高のカイロデーだった。著名人公園や代替医療体験
初開催は予想以上の活況
札幌で「元気まつり」レポート 斉藤信次初秋の北海道のどこまでも高く、抜けるような青空の下、北海道代替医療協会主催による初の会員合同イベント、「さっぽろ元気まつり」が、予想をはるかに上回る活況を呈し成功のうちに幕を閉じた。主催の同協会は、2年前に日本カイロプラクティックドクター専門学院(JCDC)札幌校の川人校長が、北海道の代替医療関係の学校に対し、「みんなで協力して不足するものを補い合いながら、お互い北海道を元気にしましょうよ」と呼びかけ、同校内に事務局を置き設立されたものである。今回の企画について川人氏は、「これまで勉強会や授業の聴講など、堅苦しいことのほうで協力し合い、より良い関係づくりを図ってきたけど、この春先に一度発想を変えて、みんなでもっと楽しいことのために協力し合えないものか、と今回のイベントを考えたんです。そのとき、ふと頭に浮かんだのが、昔マッサージ研修でアメリカに行ったときに体験した、本来ライバルである業種の人たちが集まったホームパーティーなんです。ビールジョッキ片手にみんなでバーベキュー。よし、このスタイルでいこう!これを札幌でやってみようと思ったんです」と語る。当日は北海道のメディアに頻繁に登場する著名人の講演や代替医療の無料体験など、1日だけのイベントとしてはとても収まりきれないほどの番組が組まれ、どのコーナーも活気に包まれていたが、その中で目を引いたのはJCDC札幌校出身、しものまさひろ氏の腹式呼吸を利用した健康体操「あへあほ」だ。北海道では定期的にラジオ番組に出演するなど、着々と出番を増やし今売り出し中の”ウンドープロデューサー”とのことだが、自主制作したDVD(しものトレーナーズオフィス・電話011-374-1110 http://www.shimono-tore.com)を引っ提げ、参加者に自慢の体操を披露しては、スタッフとともに宣伝に励んでいた。最後に川人氏は「来年は絶対に倍の人数にしてみせるから」と、こちらに向かって右手の親指を突き立て力強く言い切った。来年もまた、この抜けるような青空の下に来てみるか、と思わずこちらも親指を突き立て返していた。いいものを見せてもらったという満足感と、地方のあまりの元気の良さに、都会は一体何が足りないのか、何かを突きつけられたような帰京となった。
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