《第28回》心の垣根を越えて真剣に学ぼうカイロプラクティックジャーナル

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岡井健DCのI Love Chiropractic ! 《第28回》心の垣根を越えて真剣に学ぼう2014.08.30

カイロジャーナル80号 (2014.6.22発行)より

日本の皆さんお元気ですか? きっとそろそろ梅雨時ですよね。私が暮らす北カリフォルニアは毎日爽やかな晴天が続いています。しかし、ここ数年降雨量が少なく深刻な水不足に陥っています。庭に水を撒くのもつい遠慮がちになってしまいます。日本の雨を少し分けてほしいぐらいです。本当に程々とか適量ほど難しいものはないとつくづく感じさせられます。何事もバランスが大切ですよね。

現状に合った制度

さて、私たちが愛するカイロプラクティックの業界のバランスはどうでしょう? 皆さんはどう思われますか?

考えたこともない、もう諦めているという方も多いかもしれませんね。今までも様々な団体が誕生し、消えてなくなったり、名ばかりで目立った活動をしていない団体も多いと聞いています。その設立動機の根底がパワーゲームである団体は特に消えるのが早いようです。先日あるカイロ紙を見ていると同じページの隣同士にお互いを牽制し合うように国民生活センターの窓口は自分たちだという事をアピールしている二つの団体の投稿記事が載っていました。私は国民生活センターの問い合わせがそんなに価値があることなのかと不思議でしょうがないのです。ここでもパワーゲームだ、くだらないと思わず独り言を言ってしまいました。まるで虎の威を借りているように思えてしょうがないです。虎の威の力もないような事を争って足の引っ張り合いのようなことをするのではなく、本当の意味で業界の発展を考えて力を合わせる事を訴える人はいないのかなと思います。いや、そんなまともな人はこのパワーゲームに愛想を尽かし、きっと我関せずを決め込むのでしょう。

。私が所属する日本カイロプラクターズ協会(JAC)も二言目にはWFCやWHO基準です。WHO基準は素晴らしいですが、日本の現状ではその前に日本基準を作ることの方が先だろうと普通の常識人なら分かるはずです。JACが世界との窓口になってくれるのは業界にとってとても大切なことですしかし、今の業界に強引にWHO基準を持ち込んでも上手くいく道理がありません。JACは上手くそこの舵取りをしながら、WFCに言われるがままではなく「日本のカイロ」を作り上げることにも一役買わなければならないのです。JACが全てをリードするのではありません。日本には他にも優れた団体があるだろうし得意分野を提携しながら力を合わせて日本の国内をまとめていく必要があるでしょう。JACが安全教育プログラムを作って二年制のカイロ学校を出た人にもJCR試験の受験が認められ合格すればJCR登録カイロプラクターとしてJACでも認められるというプログラムを開始しました。これは素晴らしいと思います。だけどより開かれた日本の国内基準確立のための一歩に過ぎないのです。破綻しつつある世界のカイロ業界に頼るより、自分たちで日本の現状に合ったカイロ制度をしっかり協力して作り上げ、それを時間を掛けて成長させていくことが望ましいのです。

私は日本の団体や学校の方々とできるだけ機会をつくって会ってきました。私はどんな人とでも会って話を出来ます。実際会ってみると皆さん情熱家で良い方ばかりです。ところがその情熱が偏るとバランス感覚を失ってしまいます。どうして皆さんカイロを愛する良い人なのにまとまれないのだろうと頭が痛いですが、パワーゲーム、そして多様性を持つカイロの哲学とテクニックにも原因はありそうです。皆さんそれぞれのカイロ観があって、自分の考えと違うものは認めたくないという器量の狭さがネックとなっています。要するに人間がちっさいとしか言いようがない方が多ければ多いほど、ことは難しくなるのです。JACは自分たちが日本を代表する団体だとふんぞり返るのではなく、僭越ながら日本の業界の取りまとめ役をさせていただきます。又WFCとの窓口も皆さんのために引き続きさせていただきますが、あくまで日本の業界の皆で力を合わせて日本のカイロ業界の発展のため、自分のためではなく次世代のために何をすればいいのかを考えていきましょうという態度をもって欲しいです。

多くの人と交流を

かく言う私ももう少し謙虚さを持ってものを申せばいいのですが、あいにく生来性格がはっきりしているタイプでつい正直に意見を述べてしまいます。特に公のことに関しては。個人を公に攻撃したりするのはあまり好きではないのですが、制度とか業界のことに関しては黙っていられない面倒な男なのです。ただこれだけは言えることですが、私は日本での利害関係が比較的少ない立場で日本の業界を外から眺め、そして中の事情もかなり理解し得る見通しの良い場所にいるということです。本当に誰が一番だとか、誰が目立っているとかどうでもいいことです。一生懸命に人のために頑張って結果としてそれが評価されて目立てば、それは素晴らしいことですし、それに対して他の人が足を引っ張ったり、出る杭を打つことなど間違ってもしてはいけないことです。もっと多くの人が業界内で色々な団体や学校、テクニックの人と仲良く交流すれば、きっともっと良い業界になるだろうにといつも思います。バランスよく色々な人と付き合うことが自分自身のバランス感覚を磨くことにもなるのです。

私は「マイプラクティス」というセミナーを毎年開催しています。DCであろうと二年制学校の卒業生であろうと、または柔整の先生であろうと参加できますし、アジャストメント・テクニックのセミナーではないので使用するテクニックに関係なく参加できます。皆さんに私が二十数年かけて培って日々行っている診療、ケースマネジメント、患者教育、マーケティング、スタッフ教育など多岐にわたってのトピックをカバーします。これは調べてきたものや借りてきたような内容でなく、私が試行錯誤の末に今現在たどり着いた答えをお伝えするものです。私も今だに、まだまだ日々学習の毎日で新しい気付きもあります。だからこそ楽しくやりがいのある仕事なのでしょう。

今回のセミナーでは急性で重度の腰痛と坐骨神経痛に対して私がどのような診療とケースマネジメントを行っているのかを始め、首のアジャストを怖がっているカイロ未経験の頚椎ヘルニア患者をどのように診療して回復させるのか、患者からの信頼を得るコミュニケーション術、カイロの特異性を用いて他の医療から区別化を図ることで患者を増やす方法、レントゲンの必要性の是非を実例を見せながら考察することなどを含めた幅広いトピックを準備しています。

週末セミナーでの付け焼刃的なテクニックの習得や誰でもすぐ出来るお手軽な魔法のようなうたい文句のテクニックは結局は身につかないし、かえって危険な結果になることは皆さんすでにお気づきでしょう。マイプラクティスはテクニックセミナーではありませんが、それ以上にカイロプラクターとしての意識を高め優れた診療が出来るようになるセミナーだと思います。きっと、このセミナーのあとには皆さんほとばしるようなやる気と今までよりレベルアップした診療が出来ることでしょう。マイプラクティスはDCから無資格のカイロプラクター、そしてカイロを真剣に学びたいと思っている他の医療従事者が等しく一緒に学べる場なのです。このセミナーを機に今までもより上の教育を求めたり、より真剣に勉強をすることを決意をする人が多く生まれています。今まで参加したことのない方は是非参加してみてはどうでしょう。

JACを始め自分たちの所属する団体主催以外のセミナーを関係ないものと決め付けて学ぶ機会を自ら放棄することはもったいないことです。このセミナーでまずは自分の心の垣根を乗り越えてみてはどうでしょう。私は真剣に純粋に学びたいと求める者を拒みはしません。私もこのセミナーを通して皆さんから多くのものを勉強させていただいています。

誰もが参加できる場

今回のマイプラクティスではより多くの方と一緒にカイロを学び、よりカイロを好きになることができると信じています。忙しい毎日のスケジュールをやりくりして参加した甲斐があったと皆さんに言っていただけるように、7日々の診療の後に眠い目をこすりながら一生懸命に準備をしています。皆さんにお目にかかれるのを心から楽しみにしています。来たれ! カイロプラクティックを愛する者たちよ。

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