吉田 美和DC 米国LAで開業 新しいスタイル導入カイロプラクティックジャーナル

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吉田 美和DC 米国LAで開業 新しいスタイル導入


カイロジャーナル83号 (2015.6.28発行)より

最先端 メディカルと連携するカイロプラクティック・オフィス
トリガーポイント注射やPRP療法も

米国カリフォルニア州ロサンゼルスでカイロプラクティック・オフィスを運営する吉田美和DC(ロサンゼルス・カイロプラクティック大学=現・南カリフォルニア健康科学大学卒業)は今年1月、共同経営者のバックリーDCと協力し、注射や薬なども提供する全く新しいスタイルのオフィスをスタートさせた。フィジカル・メディシンと呼ばれる医療サービスで、今アメリカのカイロプラクターに注目されている最先端の方法である。セミナーのため来日した吉田DCに移行後のオフィス状況を聞いた。

新オフィス「ヘルスアドバンテージ・フィジカルメディスン」をスタートさせた吉田美和D.C.

PAと協力して

――フィジカル・メディシンという言葉は初めて聞きますが、どんな治療を提供するのですか。

(吉田)カイロプラクターがカイロケアを提供するのは従来通りですが、必要に応じて、薬や注射の処方、リハビリも行って、患者さんに最適な治療を提供するものです。手術以外のほとんどの治療ができて、イメージとしてはペインクリニックとリハビリ施設を合わせ持ったクリニックです。

――メディカルなサービスは誰がやるのですか。

フィジシャンズ・アシスタント(PA)がやります。PAは医師の指示の下で医療を提供する資格で、私のクリニックでは実際に検査をして治療方針を決め、薬や注射の処方をしているのはPAです。医師(MD)は週に3日着て、PAのカルテをすべて確認してそれにサインをします。

――医師は実際に患者を診ないわけですね。

医師に診てもらえば、患者の支払い額も跳ね上がるので、その方が患者のニーズに合っています。しかしMDの方針も反映されます。来てもらっているMDは、ステロイドは極力使わないで、栄養療法などで治すことを奨励し、ナチュロパシーの知識も豊富なMDです。私としては、せっかくメディカルな機能を持ったのだから、もっとチャレンジしてみたいという気持ちもありますが、なるべく身体に負担のない治療を提供するのはクリニックの方針としてはよいと思っています。

PAは、手術以外は日本の町の整形外科と同じことがほぼ全部できます。トリガーポイント注射(TPI)もやりますが、トリガーポイントはカイロプラクターが正確に見つけてマーキングし、注射だけやってもらうようにしています。

最近流行ってきている多血小板血漿療法(PRP)もやります。私も五十肩になって、TPIをやったらかなりよくなって、PRPをやったらもっとよくなって感動した経験があります。TPIはマイルドな鎮痛剤を使うし、PRPは自己血だから、身体への負担が少ない手法だと思います。

患者の意向聞く

――治療の流れを教えていただけますか。

初診の患者さんは全員、カイロプラクターとPAの問診と検査を受けてもらいます。それでカイロプラクターが患者に診断所見と、一番適切だと思う治療方針を説明します。そして患者さんの意向も聞いて、治療プログラムを決定します。それから患者さんはケースマネージャーに会って、詳しい費用の説明とスケジュール決めをします。最初にプログラムや回数を決めてしまうから明瞭会計で、後からトラブルはありません。

治療内容は、人によって様々で、カイロプラクティックだけ、鍼だけの患者さんもいます。患者さんの意向を聞きつつ、状態を見極めて決めるのが私の重要な仕事です。これまでは治療ばかりやってきましたが、個々の患者さんの治療方針の決定と管理が仕事の半分ぐらいになってきました。

カイロプラクティックとメディカル以外の治療方法は、リハビリ、栄養療法、鍼、マッサージがあり、リハビリと栄養療法はカイロプラクターが行っていて、他はそれぞれの有資格者がやっています。リハビリは理学療法士(PT)が行わないと保険で認められないので将来は理学療法士を雇いたいとも思っています。しかしPTは給与が高いのでなかなか難しいところです。

高齢者の治り改善

――カイロプラクターよりPTの方が給与は高いのですか。

そうですね。サラリーで生計を立てるならPT、PA、それに看護師の方がよい収入になります。カイロは雇われて経験を積んだら開業しようと考える人が多いです。開業してそれなりであれば彼らの給与ぐらいにはなるし、もっともっと経済的に成功する人も結構います。

――1月に移行して半年近くになりますが、患者さんの反応はどうですか。

特に感じるのは、高齢者の治りがよくなったことです。少しの薬で痛みを緩和して、その間に可動域を増やす治療や運動をすることで改善度が上がりました。

毎朝、毎昼に治療スタッフ全員でミーティングを持ち、次に来る患者さんの治療プランを話し合います。チームとして患者さんを診て、総合的な処方をすることで、患者さんのやる気も上がり、よりきちんと来てもらえるようになりました。

――順調に移行できましたね。

それが儲かるようになったわけではなくて…。従業員を増やして、専門職と事務職合わせて今は15人ぐらいいます。マネージメント・カンパニーへの支払いもあるので、経費はすごくかかるようになりました。

しかし新しいことができるようになったのはエキサイティングだし、治療の結果が出ているという意味ではひとまずは成功ですね。

――カイロ治療に加え、患者マネージメントと経営に携るのは大変だと思いますが、くれぐれもお身体を大切に。益々の発展を期待しております。

吉田美和DCの「アメリカンスタイル・トリートメント」セミナー開催

働く女性特有疾患の検査と対処法セミナーの様子

吉田美和DCの「アメリカンスタイル・トリートメント 働く女性特有疾患の検査と対処法」セミナーが6月13日、14日に東京で開催された。これまで小児、産前・産後、更年期障害など、女性に関連の深いテーマでセミナーを行ってきたが、今回もそれに続き、女性に多い疾患の治療がテーマとなった。

受講者はこれまでの参加者が7割を占め、和気あいあいと大盛況だった。顎関節症、テニスエルボー、手根管症候群、外反母趾など、頻繁にみるが難治性の場合も多い障害へのアプローチが紹介され、「明日から使えるように」をモットーとする吉田氏の指導のもと、受講者は熱心に練習に励んでいた。

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