カイロの潜在的な大きな可能性 遠藤光政カイロプラクティックジャーナル

  カイロの潜在的な大きな可能性 遠藤光政

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カイロの潜在的な大きな可能性 遠藤光政

神経機能の調整で本来の生命力よみがえる
ホルダー研究所日本代表!
カイロジャーナル87号 (2016.10.15発行)より

カイロプラクティックの役割はサブラクセーションを取り除くことですが、サブラクセーションは骨ではありません。各椎骨のレベルで起こる神経学的な投射(機能異常)です。骨はサブラクセーションを起こすことはありますが、サブラクセーションそのものではありません。トルクリリース・テクニックでは骨を動かすことはしません。骨を動かすのはその骨に付着している筋肉の仕事です。カイロプラクターの仕事は真のサブラクセーションを特定し、それを解消することです。

身体には自然治癒力が存在します。骨格のゆがみや身体に現れる症状は自然治癒力が働き、その補正作用として現れているものです。ですから、真の原因は症状として現れている部位には存在しないのです。その部位に対する施術を行うことは自然治癒力の働きを妨げることになります。真のサブラクセーション以外の部位を調整しようとすると自然治癒力の働きを妨害します。カイロは対症療法ではなく根本療法です。トルクリリース・テクニックではカイロ本来の考え方に則り、症状や疾患を治療することはしません。独特の鑑別診断法を用い、神経機能の不調が起きている部位(プライマリーサブラクセーション)を特定して調整します。結果として神経機能異常が解消され、自然治癒力による補正作用の必要性がなくなり、様々な問題が消えていきます。

私自身もそうでしたが、多くのカイロプラクターは、主に筋骨格系の症状に対して脊柱の構造的ゆがみを探して、それを矯正しようとしています。それでも一時的な効果は得られると思いますが、本来のカイロの考え方とは異なっているため長い目で見ると良い結果にはなりません。

神経機能異常を正確に特定して調整を行うことで、もともと身体に宿る生命力が十分に発揮されると腰痛、頚部痛などの筋骨格系の問題はもちろん内科的、精神的、心理的問題にまで大きな影響が及び、驚くような成果を得ることが可能になります。

トルクリリース・テクニックでは尾骨から蝶形骨までを脊柱と考えていて、サブラクセーションを「報酬欠陥症候群」と捉えています。これは長年Drホルダーと共に研究を行って来た、元テキサス大学の精神薬理学教授で遺伝子学と依存症医学が専門のDrブラムによって提唱されたものです。蝶形骨の直ぐ上方には中脳辺縁系があり、ここで嬉しい、悲しい、好き、嫌い、幸、不幸など、人の29種類の感情の全てが生まれます。この部分で7種類ほどの神経伝達物質と呼ばれる化学物質の連鎖的な伝達が適切に行われると報酬と呼ばれる充足感を得ることが出来ます。ここで重要なのが真のサブラクセーションを正確に特定し、解消させることです。それにより脳内の各組織間における神経伝達物質の伝達に必要な各組織の正しい周波数を回復させることができます。

生まれながらに充足感(報酬)が得られない人々の典型が依存症、強迫性障害、発達障害の人々で、これらの人々を対象にトルクリリース・テクニックを採用して行った研究では今までに得られたことのない素晴らしい成果が示され、ネイチャー出版による『Molecular Psychiatry・分子精神医学』に掲載され、テレビのドキュメンタリー番組「ディスカバリーヘルス」でも放映されました。

ホルダー研究所では今後依存症治療施設を運営する一般財団法人ワンネスグループ、放課後等デイサービス・児童発達支援「おもちゃ箱」を運営するFits横濱株式会社と協力し、トーンのサブラクセーションに基づくカイロの新たな可能性を引き出すための活動として「こども発達支援ケアセンター」を開始しています。今後、発達障害の認定セラピストを育成する事業を行う計画です。新たな分野でのカイロの役割が期待されています。

遠藤 光政D.C.
PCT登戸カイロプラクティック院長
パーマーカイロプラクティック大学卒業
ドクター・オブ・カイロプラクティック取得(D. C.)
日本柔道整復専門学校卒業 柔道整復師
ホルダー研究所日本 代表
トルクリリースセンタージャパン
オリキュロセラピージャパン®
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