「カイロプラクティック業界の行く末は自分たち次第!」カイロプラクティックジャーナル

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岡井健DCのI Love Chiropractic ! 「カイロプラクティック業界の行く末は自分たち次第!」2019.07.26

皆さん、お元気ですか? 梅雨寒も終わり、いよいよ本格的な夏がやってくる頃ではないでしょうか? これからは台風も増えるシーズンですが、どうか大きな被害をもたらさないでほしいと祈るばかりです。

サバが共食いするって知ってました?

先日、NHKの番組で食品の遺伝子のゲノム編集の特集をしていました。その中で、サバの稚魚を攻撃性の少ない性質に変えて、養殖の効率を上げる研究についての紹介がありました。サバは攻撃性が強くて”共食い”をしてしまうそうです。稚魚を水槽で飼うと、たった10%ほどしか残らないそうです。ゲノム編集をすることで40%以上生き残るということです。凄い成果ですね!

それにしてもサバが共食いをするなんて知りませんでした。その現場の画像は、なかなか鮮烈です。体の大きな稚魚が小さな稚魚を丸呑みするように咥えているのです。何だか野蛮な感じがしましたが、これが自然界で種が生き延びていくために備えられた本能的な行動なのでしょう。でも、正直な感想は”共食い”なんて嫌だなという気持ちの方が強かったです。自然界ではなく、養殖の環境の中では共食いの必要がないのに、本能的行動は変えようがなく、ゲノム編集を利用したわけです。

人間界、カイロプラクティック界で共食いは

人間界では特別な状況下でない限り、歴史的に”共食い”は行われて来ていません。それは、サバに比べ遥かに高い知性というものを持ち合わせているためでしょう。しかし、食することはなくても、気に入らない相手を攻撃することはあります。どんなに狭い社会でも、その攻撃性は発揮され、不幸な結果になるのです。カイロの業界はいかがでしょう?

カイロプラクティック業界の皆さんが、お互いを認め尊敬して和気あいあいと助け合い、励まし合っているでしょうか? いやいや、そんなことはないでしょう。例に漏れず、テクニックやフィロソフィーの違いで、同じカイロプラクティックを愛する仲間であることも忘れて話もしなくなるなんて悲しいこともあります。ときにその情熱が強すぎるために周りが見えなくなってしまうこともあるのです。テクニックやフィロソフィーに限らず、団体や出身校で相手をよく知りもしなのに見下すようなことも。いずれにしても、カイロプラクティックは日本では法制化されていないので、一般の方から見れば大した違いがないようなことでも、われわれはDCだとか、国際基準だとかを誇らしげに掲げたくなるものです。自分は頑張って勉強してきたという自負があるのは当然ですが、学位だけでは本当の実力を測れないのも確か。

一時の隆盛はどこに?

私がサバの共食いの話を観て思ったことは、カイロプラクティック業界もお互いを攻撃し合って、どんどん数が減っていかないといいのだがということでした。いやもう既に数は激減しているのでしょう。カイロプラクティックの学校は、一時期は凄い隆盛を誇っていたのに、ここ数年は柔整の学校が門戸を開いたことで生徒数が激減し、ほとんど学校の体をなしていないような入学者数にまで落ち込んでいると聞きます。これはどのレベルのカイロプラクティック学校も同じようです。ライバルが減った、国際基準を持っていない人が減ってくれる、いい加減なカイロプラクターが消えてくれるなんて思っている方はいないでしょうか?

将来を託せる若者の絶対数が

われわれが失っているのは、業界の将来を託すことのできる優秀な若者なのです。優秀な若者がどんどん入ってこないと、業界の空気は淀んでエネルギーレベルも低下します。新しいやる気のある風を吹き込むことで、ベテランの先生も刺激を受けて、さらなるレベルアップへのやる気が湧いてくるのです。新しい方は勉強の必要性がより高いのは当然ですので、本も買うし、セミナーにも熱心に参加してきます。私がせっかく苦労して書き上げたテクニックブックだって、多くの方に活用していただかないともったいない話です。

カイロプラクターの数、特に積極的に学びに励む人の数が減れば、出版物やセミナーは成り立ちません。すると、次第に学びの場が失われていくのです。学びたい方は、カイロプラクティックで学びの場がなければ、他の医療、医術のセミナーに参加して学ぼうとするはずです。結果としてカイロプラクティックを離れていく方も多くなります。カイロプラクティックの良さを忘れてしまうのでしょう。カイロプラクティックの素晴らしさを再認識するには定期的にカイロプラクティックのセミナーなどに出て、学び続けることが大切です。

カイロプラクティック・ソウルナイトもご多分に漏れず

私が長年頑張っているカイロプラクティック・ソウルナイトだって、最初はたくさんの学生たちが参加してくれて、とても賑わっていました。ベテランの方も様子を観に参加して刺激を受けたはずです。ところがほとんど学生がいなくなった現状では、業界を元気にするイベントもセミナーも先細りは免れません。ではどうやって新しい風となる学生を増やせばいいのでしょう? 私も日々考えています。

飽和状態の末にあるものは

カイロプラクティック学校の入学生が激減したのは柔整の学校に流れたからです。やがて柔整の業界が飽和状態になり、立ち行かなくなるでしょう。柔整の学校を出たものの、物足りなさを感じている人、自由診療でもっと効果のある治療を施したいと考える人の数も増えてきます。そういった方々にカイロプラクティックに興味を持ってもらい、カイロプラクティックを勉強してほしいと思っています。考えてみればカイロプラクティック業界の重鎮たちも柔整や鍼灸の学校を出たあとにカイロを学んだ方々ばかりじゃないですか! 別に新しいことではないのです。ただ、カイロプラクティックに興味を持ってくれそうな方に、もっと積極的に情報を流して勧誘していかなければならないと思います。

今どきの~、太古の昔から言われ続けていること

今どきの若者はネット社会で育ったゆえに、まずはその場所に飛び込んでみようという方は少なく、できる限りの情報収集や学びをネットで済まそうとします。そこで得られる情報は、実際にその場に行って肌で感じる情報とはかなり違いがあるのですが。だから、まずはソウルナイトやセミナーのような場に参加していただいて、カイロプラクティックに興味を感じてもらったり目覚めてほしいのです。最初はいろいろな温度差を持った人がいるでしょうが、そういった方にカイロプラクティックの魅力を余さず伝えるのが我々の仕事ではないでしょうか?

将来を託せる若者探し、一つになんて、ただ尊敬し合って

そうやって参加した方のすべてが、カイロプラクティックに興味を持って勉強してくれるわけではないでしょう。だけど、その中から将来の業界を背負ってくれるような優秀な人材が出てくる可能性も大きいのです。私たちにできることは、業界を魅力的で開かれたものにすること。一つになる必要はありません。どうせ無理ですから。ただ、カイロプラクター同士がお互いをもう少し尊敬し合い、明るく元気な業界にすることですね。閉ざされた業界ではなく、開かれた業界にならないと、やがてカイロプラクティックが衰退して学びの場が消滅してしまう可能性さえあるのです。われわれがカイロプラクティックの素晴らしさを後世に伝え残していくことは義務ですね。

皆さんの知り合いに、カイロプラクティックに興味を持ってくれそうな方はいませんか? 思い切って声をかけて、カイロプラクティックの集まりに連れてきてみてはどうでしょう。私はいつでも大歓迎です。業界の多くの方が同じように、これから学びたいという方を歓迎してくれることを願います。業界を繁栄させるために、まず今の体質をゲノム編集する必要があるかもしれませんね〜。

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