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――パーマー大学卒業のときにスウェットDCに進路を相談したそうですね。

卒業するときに、日本に帰る予定ですが、まだ自信を持って帰国出来ないということをロイに相談しました。そうしたら、ロイのオフィスがあるアトランタにおいで、と言ってくれました。ロイのところに行く前に、それまでのことを全部復習しておこうと思い、上部頚椎のドクターのところに1カ月間住み込みもしました。その後ロイのところに行くと、どのくらい上部頚椎について理解しているかということが彼にはすぐ分かったようで、すごく親身になってくれ、食事に家にも呼んでくれました。

彼のところには多くのカイロプラクターが勉強に来るのですが、特別に親身に接してもらったと感じています。最後はロイの方から「おまえは日本に帰ってこのテクニックを広げろ、なんでもサポートはするから、このAOを伝えるために帰れ」というふうに言われました。もうそれから15年も経ってしまいましたけど。

――なぜ上部頸椎の中でもAOを選択することになったのでしょう。

ロイに惚れ込んだんでしょうね。出会いでしょう。日本で本物のAOを伝える教育には、テーブルをどこから手に入れるかという問題がありました。日本で製作するというのも、簡単に了解をとれたわけではありません。いろいろありましたけど、ロイと話し合って一つずつ了解を取っていきました。

――AOでは研究の推進には力を入れていますか?

RWスウェット研究財団があり、そこで研究、そして発表の機会があります。

コロラド大学の著名な教授ドクター・スーは長くRWスウェット財団と協力関係にあります。彼はサブラクセーションが存在するということを立証し、カイロ大学以外の研究機関としてはおそらく初めて医学誌にそれを発表しました。私もアトランタでのセミナーで彼の講義を受講させていただきました。今は、CTやMRIを使った分析の研究も進められています。

――AOのテクニック自体は、変化していくものですか?

分析法は改善されていくでしょう。だから一年に一度はアトランタに行って勉強する必要もあります。そのときに自分のデータも持っていってそれで議論もします。

しかし基本の撮り方は同じです。骨の形状などによって、角度は違いますが、3方向からアトラスをとってそれで割り出した角度をもって、調整します。AOはアトラスを使って、頭蓋骨を背骨の上に乗せるテクニックだと言えます。

――AOでは、治療の間隔はどのくらい空けますか?

初期は週2回ぐらい、詰めてみます。よい状態を保持すると、コアマッスルの緊張がいらなくなって柔軟性が高まります。その状態が持続できると、自分で、「アトラスが入っった状態」なのかどうかわかるようになります。だから、違和感を感じると今度は患者さんが連絡して来るようになります。

しかしよい状態がわかるためには、数週間から1カ月その状態を保たなければならないので、最初はこちらから指定した間隔で来院してもらいます。

――状態を理解している患者さんはどのぐらいの頻度で来ますか?

何年ぶりということもあります。ジェットコースターに乗ってずれたから来た、なんていうこともありますが、良好状態維持のためには定期的なメンテナンスをお勧めしています。

――患者さんへの説明で気を付けている点は何ですか?

患者さんからの紹介の場合はある程度わかってやってくるのですが、ホームページを見ただけで来る方もいるので、AOについての十分な説明を心がけています。その後レントゲンを撮りに行ってもらいます。その為どうしても迅速な対応には困りますが、それでもそうしないと続かないし、その方にとっても納得できないものになってしまいます。アメリカのようにレントゲン装置があってすぐに撮って治療に入ればいいですが、そうはいかないのが日本の現状です。

――高齢者にも同じ治療をするのですか?

同じです。例えば、圧迫骨折の方でも、アトラスを調整すると、その部位への負担が少なくなるので楽になります。動けなかった人が動けるようになることもあります。

――子供の治療はどうでしょうかは?

子供も同じです。子供はまだ筋肉の癖が少ないので、数回でよい状態になることが多いです。自分が調整してもらったのは、遅い方ではないですが、20歳を過ぎてからです。もっと若かったらよかったなと思います。

小学校入学の検査で側弯症と言われ、AO治療をして2年生の検査では治っていたというケースもありました。

――勉強会以外には、どんな形でAOを広めていきたいですか。

アメリカなど海外で活躍する臨床経験豊かなDCに来日してもらって交流する機会もつくりたいですね。またアトランタにみんなで一緒に行って、上部頸椎に特化した解剖セミナーに参加するのもいいと思います。1回経験するだけでも収穫は大きいと思います。

セミナースペースはせいぜい10人ぐらいしか受け入れられないのですが、それでも信頼関係のあるネットワークがつくれればそれが大事だと思っています。DC、ノンDC関係なくやっていきたいと思っています。パーマーでAOを勉強した日本人DCもみな、AOジャパンができたら手伝いたいと言ってくれています。

――レントゲン撮影のネットワークも広めたいそうですね。

協力的な医師や歯科医師、放射線技師を対象にAOのレントゲンの撮り方の勉強会もやりたいと思っています。全国で協力医療機関が増えれば、それだけ地元でAOを受けられる患者さんも増えるので。理想は日本のどこにいても確りしたAOが受けられることです。

ビジョンが広がっていきますね。今後のAOの広がりに期待しています。ありがとうございました。

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