時代の波には抗えず 本紙発行来年2月で休止カイロプラクティックジャーナル

  時代の波には抗えず 本紙発行来年2月で休止

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時代の波には抗えず 本紙発行来年2月で休止

カイロジャーナル発行人 斎藤信次
カイロジャーナル89号 (2017.6.19発行)より

平成元年(1989年)7月、科学新聞社がそれまで20年かけて蓄積したカイロ関係の顧客リストを対象に、年に3、4回、不定期の新聞を発行、無料で配布することを掲げ、「カイロプラクティック・ジャーナル」を創刊した。

カイロプラクティック・ジャーナル創刊号

その後、カイロプラクティックの商標を押さえていたところからのクレームによって、「カイロジャーナル」と改題、また年3回、2月、6月、10月の大安の日の発行を決め、休刊することもなく無事本日に至っている。

入社10年を越え、多少は会社の事情もわかってきて「よーし、一丁やったるか」という気持ちだけで始めたと思う。世は正にバブル絶頂の頃であった。その恩恵に与っているとは微塵も感じなかったが、今思えば明らかにどっぷり浸かっていたに違いない。

新聞を生業とする者が己が商品の販促にそのノウハウを活かさずしてどうする、ごくごく当たり前の発想から、「カイロ事業20周年を記念して」と勝手にうたって立ち上げた。

当時、池田(社長)に了解を得、すぐさま付き合いのあった数社に「カイロ界でこれ以上のリストはありませんよ」と営業で培ったはったりをかまし、製作費、発送料を広告料で賄う無料の新聞の発行を説いて回った(実際にはほとんど電話で済んでしまったように記憶している)。

池田氏

結果、全社から賛同を得、意気揚々と池田に伝えたところ「やはり僕の考えは正しかったね! どうかね、科学新聞も無料で出すかね?」と言われたときには、その類の言葉に慣れてはいたが、呆れて二の句が継げなかったことを今更ながらに思い出す。

もちろん広告料ですべてが賄えるわけではなかったが、発行するごとに必ず相応の反響があり、商品が動いた。そうすると、またお付き合いをいただくことができた。好循環のこの上ない流れだった。

現在、創刊号でお付き合いいただいた各社の名前はもうない。別れや始まり、さまざまな経験があって、これまで発行し続けることができた。これまでお付き合いいただいた方々、現在もなお、お付き合いくださっている方々に心からお礼申し上げる。ありがとうございました。

しかし時代が変わり、出版物および関連商品がこうも売れなくなるとは思いも寄らなかった。幸いかな科学新聞社のカイロプラクティック事業は、出版だけではなくイベント事業の比率も高く、今すぐ紙を止めなければならない状況にはない。しかし、無料配布をこれ以上続けても、商品の売上が急激に伸びることはとても考えられなくなった。

立ち上げた人間として、なんとか継続したいという気持ちはあるが、そのことによって屋台骨に悪影響を与えてしまっては元も子もない。かような次第で、今年度(来年3月)をもって本紙の無料配布を止めさせていただくことにした。

ニュースの発信自体はWebで続け、再来年(2019年)のカイロ事業50周年、本紙創刊30周年は、どんな形であっても自らを祝いたいと思っている。カイロジャーナル事業部が推し進める事業を、今後とも温かい目でご覧いただければ幸甚である。末長くよろしくお願い申し上げる。

齋藤 信次(さいとう・しんじ)
カイロジャーナル発行人
今年6月、科学新聞社の代表取締役社長を勇退、顧問に就任
今後はこれまでの経験を活かし、同社の出版事業をサポートするかたわら、広く手技療法界全体の活性化を目指し、独自の活動を展開していく予定

幅広い人脈を持ち、また人情味にも厚く、業界の良き相談相手であったことから、今後ますますの出番が予想される力強い助っ人

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