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オステオパシーの哲学を研究 キャンベルDOが来日セミナー

スティルからリトルジョン、クラシカルオステオパシーという系譜
11月に尼崎で「ぜひご参加を」
カイロジャーナル90号(2017.10.22発行)より

日本クラシカルオステオパシー協会(JACO)相談役
伊澤勝典

伊澤勝典
伊澤勝典

オステオパシーの世界でアンドリュー・テイラー・スティルの名を知らぬ者はいない。オステオパシーの創始者であるスティルの偉業に誰もが憧れを抱き、スティルの名の下にその哲学を唱え、勉学に励み、研鑽に勤しむ。その在り方は世界共通であり、ここ日本でも変わらない。

スティルの教えがヨーロッパに広がったのはジョン・マーティン・リトルジョンという一人のオステオパスの存在がある。ほとんどのオステオパスはオステオパシーの創始者であるアンドリュー・テイラー・スティルはもちろんのこと、サザーランドやフルフォードといったオステオパシーをさらに発展させたオステオパスの名は知っているだろう。

しかしジョン・マーティン・リトルジョンと彼が推し進めたオステオパシーの科学化への貢献を知る者は非常に少ない。スティルの技法を夢見る人は多いが、リトルジョンの技法を知る人は少ない。リトルジョンがスティルから高く評価されていたことは「リトルジョンは我々が最も必要とする人間だ。聡明でかつ物静かである」というスティルの言葉からも理解できるが、その聡明で物静かな人柄が逆にオステオパシーの歴史に誤解を与えていることも事実である。

カークスビルのオステオパシー大学の学長及び生理学の教授であったリトルジョンは、その短い在籍中にいくつかの改革を断行した。それはまずオステオパシー病変とそれが健康に及ぼす影響といった研究の開始である。スティルは、オステオパシーを学ぶものにとって生理学は臨床において有用であり実践的でなければならないと考えていたが、リトルジョンの教育及び研究はそれを可能にした。オステオパシーの歴史においてスティルは解剖学を重視し、リトルジョンは生理学を重視したことから確執が生まれ、袂を分かつ原因になったとされているが、それは歪曲された歴史であり、オステオパシーの名において2人の間に確執はなく、オステオパシー以外の事で袂を分かつことになったのが真実である。

「人体の全ての臓器と組織がバイブレートするように、人体の全ての関節構造には可動性がなければならない」

この言葉はリトルジョンによるものだが、彼をよく知らない多くの人がリトルジョンの残した技法や考えを、オールドタイプの古臭いものとして捉えている。問題を見つけたら、クルクル回して関節の動きを良くして、体の臓器や組織の機能を向上させる。そのためには体を1つのユニットとして捉えてアプローチする。オステオパシーの真理に到達していない誤った認識は、クラシカルオステオパシーの名の由来でさえも、古き良き時代のオステオパシーだと思わせている。

11月に尼崎で「ぜひご参加を」

Chris Campbell D.O.
Chris Campbell D.O.

リトルジョンの考えとオステオパシーへの貢献を紹介しよう。それは「バイブレーションこそオステオパスが疾患と患者を治療する上で最も有効な方法である」というものであろう。リトルジョンはバイタルフォース(生命力)こそが人体に健康をもたらしそれを作り上げるものであると考えていた。全てのオステオパシー治療でバイタルフォースはアプローチされなければならず、またバイタルフォースに沿った形で治療は為されなければならない。このバイタルフォースとリトルジョンが表現していたものは、サザーランドでは「フルイッドの中のフルイッド(体液の中の体液)」と呼び、フルフォードは「タッチオブライフ(生命の片鱗)」または「ナチュラルライフフォース(自然の生命の力)」と呼んでいたものである。

リトルジョンは身体調整という言葉を生み出した。身体調整は幾つかの関節運動技法により構成されており、リトルジョンによって作り上げられ、ジョン・ワーナムによって現在の形に進化を遂げた。クラシカルオステオパシーの真理に基づくアプローチは、まずバイタルフォースから始める。なぜならそこに患者の神秘を見出すことが出来るからである。そして次に組織を診る。何故ならそこに疾患が最終的に宿るからである。バイタルフォースと組織は密接に繋がり、その繋がりが人体の健康を大きく左右していく。クラシカルオステオパシーを学ぶにあたっては、まずこの治療の原理原則を学ぶことから始める。

クラシカルオステオパシーとはリトルジョンの弟子である故ワーナムDOが、リトルジョンの教えを守るため命名したオステオパシーであり、そこにはスティル、リトルジョンという系譜のオステオパシーの哲学がある。そのリトルジョンの研究を、故ワーナムより直接申しつかり、今なお研究を続けているクリス・キャンベルDO(初代ICO会長、The Littlejhon Center所長、日本クラシカルオステオパシー協会アドバイザー)が来日します。皆様のご参加お待ちしております。

▼クリス・キャンベルDOワークショップ2017
日時:2017年11月3日〜5日/場所:尼崎総合文化センター(尼崎アルカイックホール)/申込:日本クラシカルオステオパシー協会
http://classical-osteopathy.jp/index.html   

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