「心からのコミュニケーション力」カイロプラクティックジャーナル

  「心からのコミュニケーション力」

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岡井健DCのI Love Chiropractic ! 「心からのコミュニケーション力」2018.12.27

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上手なコミュニケーションで誤解をなくそう

さて今回は、診療の上でも、そして経営面でも、とても大切なコミュニケーションについて書きたいと思います。コミュニケーションって本当に大切ですよね。人生においても、家族や友人と上手くやっていくにも、コミュニケーションが一番大切。「言わなくたって、私の気持ちはわかっているよね」なんて思っていると、「言ってくれなきゃ、わかるわけないでしょ」なんて叱られることになりかねません。友人とのちょっとした言葉の齟齬から、思いもしない誤解を生んでしまった、なぁーんてことは誰にでもありますよね。人間はただでさえ疑心暗鬼になりがちです。相手が勝手にこちらの、何気ない言葉や態度を深読みして悩んでしまった、なぁーんてこともよくあることです。上手にコミュニケーションをして誤解のないように相手を安心させてあげたいですね。

足りないのはNG

まず言葉が足りないのは、文章でも会話でもよろしくないですね。あとは受け取る側も大いに問題ありです。たとえ言葉を尽くして伝えたつもりでも、受け取る側が部分的にしか受け取れていないことによって、誤解が生じることもよくあることです。自分はちゃんと伝えたよ、なんて安心していると痛い目に遭うこともしばしば。相手は話半分しか聞いてない、ということを前提として、何度も確認するに越したことはないですね。実際、患者さんからの質問の多くは、私が既にちゃんと説明したことに関してです。でも、患者さんに対して「私、言いましたよね!」なんてことを言うことはありません。何度でも同じことを説明します。私にとっては当たり前のことでも、患者さんにとっては初めて聞くことばかり。一度聞いたぐらいではなかなか覚えられないし、混乱してこんがらがってしまうものです。

コミュニケーションと笑顔で大盛況

誤解のない丁寧なコミュニケーションは信頼を築きます。信頼なくして良い治療はできません。面倒くさいと思う方は、その考えを改めない限り多くの患者さんの信頼を得ることはないでしょう。私のカイロ大学時代の親友がニュージャージー州出身で、地元でクリニックを経営していますが、とても流行っているクリニックです。彼は経営の勉強や努力も欠かさないのですが、何と言ってもコミュニケーションと笑顔が最高なのです。みんなが彼のことが好きなのです。治療の方も腕がいい方だと思いますが、特別なスキルがあるわけではありません。彼なりに努力をして、考えて人を魅了するコミュニケーション・スキルを身につけてきたと思います。そのスキルたるや年季が入っていて、染み込んでいて、それはもう彼自身の人格となっているのです。彼と話をするたびに見習わなければと反省します。

「心」なくして

コミュニケーション・スキルを上げるためには、常に言葉づかいや表情などを研究し、相手の心理を読む勉強もしなければなりません。上辺だけ調子よく軽口を叩く人が、コミュニケーションが上手なわけではありません。それでは薄っぺらで、そこに心がないことが相手に見透かされてしまいます。やはり「心」がなければいけません。ここでいう「心」とは何のことでしょう。コミュニケーションにおける「心」にはいろいろな要素があると思います。熱意やパッションといった相手に伝えたいという心。優しさや思いやりといった相手のことを想う心。このような心が根底にないとコミュニケーションは上手くいきません。スキルというものには、テクニカルな部分があるのは確かです。ただ、テクニカルになり過ぎて、一番大切な心を忘れては意味がありません。

口下手なら、文章を渡しながら心からのひと言を

自分が口下手だからといって、良いコミュニケーションをすることを諦める必要はありません。しゃれた言葉でなくても、相手の心理を理解し、パッションや思いやりのこもった的確な言葉を、自分のペースで伝えればいいのです。立て板に水のようにしゃべる必要はありません。もし、大切なことをたくさん口頭で伝えるのが難しいのなら、素晴らしい文章を用意しておいて、それを患者さんに渡しながら心からの言葉を添えればいいと思います。あなたにはあなたのスタイルの心のこもったコミュニケーションがあるはずです。それを確立して、高めていく努力をするといいと思います。

五感に訴える、なんといっても明るい表情

人間には五感というものがあります。見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れるというものです。相手を魅了するためには、この五感をすべて満足させることができれば、必ず好感を持ってもらえるでしょう。まさしく優れたコミュニケーターはこの五感を刺激するのだと思います。見るという感覚を満足させるにはどうすればいいでしょう? 自分がどのような方に好感を抱くかを考えれば、自ずと想像がつくでしょう。見た目の清潔感や、姿勢やしぐさの優美さもあるでしょう。そして大きなポイントは表情です。暗い、不機嫌、無関心な表情は、誰でもイヤでしょう。自分に興味を持ってくれて、自分の言葉や会話に適切な相槌を打ってくれて、見せて欲しい表情をしてくれる人には必ず好感を持つでしょう。

安心する、元気になる、落ち着く先生の言葉

聞くという感覚も大切ですね。何を言ってるか聞き取れないような話し方や暗い話し方は、誰も好きではありません。わざと方言や訛りを巧妙に残して好感度を上げる方もいます。あとは、何を言うかの言葉の選択や表現法なども大切です。話し方の距離感も相手の好みに合わせて変化させるべきです。高圧的な話し方や品のない話し方は一般的に嫌われます。面白いからと思ってあまりふざけた話し方をしていると信用を失ってしまうこともあります。難しいものです。先生の言葉を聞くと安心する、元気になる、落ち着くなどと言ってもらえたら嬉しいですね。優しさ、信頼感、思いやり、知性、そしてユーモアを適切に使うことが大切ですね。

好きな匂い、嫌いな匂い

嗅ぐという感覚は、意外とその人の印象を大きく左右するものです。私自身とても気を遣っているし、スタッフにも注意して欲しいとお願いしています。自分の通うクリニックが臭かったり、先生やスタッフから口臭や体臭がするのと、何とも言えないいい匂いがするのとどっちがいいでしょう? その人から自分の好きないい匂いがするだけで、相手に魅かれてしまうというのは皆さんご存知だと思いますが、苦手な匂いもあるのです。嗅ぐという感覚は相手に与える好感度に大きな影響を与えることから、コミュニケーションにとっても重要な要素と言えるでしょう。

受付に甘いもの、幸せな気分に

味わうというのは、カイロには無縁と思う方もいるでしょう。でも、決めつけてはいけません。クリニックの受付に、とても美味しいキャンディーが置かれていたら、どうでしょう? 甘いものを食べると人間は幸せな気持ちになると言われています。キャンディーを口にほおばった瞬間、幸せな気分になる方もいるでしょう。そうすれば、コミュニケーションも、よりポジティブなものになるかもしれませんね。

触れるは、施術家の生命線

五感の中で、われわれ施術家が「触れる」というところは、患者さんにとっては「触れられる」と置き換えれば、よりわかりやすくなると思います。これは、われわれにとって最も重要で強みのあるところです。患者さんは優しさと自信に満ちた手で施術されると安心し、癒されて心を開いていくでしょう。がさつで乱暴で思いやりのないタッチで施術すれば、それは嫌がられるでしょうし、心も閉ざしてしまいます。治療中に身体が楽になって、押さえていた感情が解放されて泣き出したり、急に元気になったり、いろいろ悩みを打ち明けてくれたりする方もいますね。不思議なもので固く張りつめているときに、肩に優しく手を置いてもらうだけでホッとしたりするものです。そこには言葉とは別のコミュニケーションがあると思います。

さあ、最高のコミュニケーションを身につけましょう!

コミュニケーションはとても大切、とわかっていても、いつの間にか気を抜いてしまいミスを犯すものです。この機会に自分のコミュニケーションをどのように高められるか、じっくり考えてみてはいかがでしょうか? きっと、より良いコミュニケーションを可能にし、患者さんとの良好な関係を構築できると思います。さあ、頑張って最高のコミュニケーションができるカイロプラクターを一緒に目指しましょう!

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