いい姿勢でいこう 第7回 姿勢から考える「腰痛」について2015.08.07
第7回 姿勢から考える「腰痛」について
カイロジャーナル67号(2010.2.24発行)より
今回のテーマは「腰痛」。日本人の10人に8人が一生に一度は経験すると言われている腰痛。すべての腰痛の原因が姿勢にあるとは言いませんが、姿勢の観点から腰痛を考えることで、いかに「防げる」腰痛が多いかということがわかってきます。
私は姿勢の観点から、腰痛を説明するときに「ハシゴ」を使って説明します。イラストには「ハシゴ」と「下で支える人」と「上に乗っている人」が登場しますが、
だと考えてください。
まずイラスト1です。真っすぐ立ったハシゴを支えている人がいます。ハシゴはあくまでも真っすぐ立っているので、ほとんど力を必要としません。支えている人は力を入れて支える必要がないのです。極端な話、もし本当に真っすぐで、重さが100%ハシゴにかかっているのだとしたら、手を放しても大丈夫な状態と言えます。下で支えている人にほとんど負担はかかっていません。この状態を人体で再現すると写真Aになります。このとき、モデルの体重は背骨の上に乗っているので、腰の筋肉は柔らかい状態です。
次にイラスト2です。今度はハシゴが斜めになっています。このような状況では、下で支える人はたまったものではありません。「助けて~」の状況です。この腰の悲鳴が重さ、だるさ、張り、そして痛みを表していると言えます。この状態を人体で再現すると写真Bになります。このとき、モデルの体重は背骨で支えられないので、筋肉は緊張して硬くなります。
写真AとBのように筋肉の硬さを比較することで、姿勢が体への負担に大きく影響するということがご理解いただけると思います。多くの方が「楽な姿勢」だと感じている背中を丸めた姿勢が、実は「体にとっては負担の大きい姿勢」なのです。もし本来の腰椎前弯を維持した姿勢にもかかわらず腰の筋肉が硬いとしたら、力が入っているか、柔らかくなれないほど凝り固まった筋肉になってしまっているかのどちらかです。
そしてイラスト3です。イラスト2の状況が続いたために、支え切れなくなってしまったのです。腰でイラスト3の状態が起きたのが「ぎっくり腰」です。これは起こるべくして起こった事態で、許容範囲を超えた負荷に対して、体が起こした当然の反応と言えるでしょう。これを家庭の電気に喩えると、ブレーカーが落ちてしまった状態と言えます。つまり、許容範囲を超えた電気を使ったことによって、ブレーカーが落ちたのです。これは見方を変えると、ブレーカーを落とすことで取り返しがつかない事態を避けたとも言えます。だとするなら、ぎっくり腰で動けない状況になることで、さらにひどい状況を避けているとも言えます。
突然ぎっくり腰になったとしても、その直前まで「何ともなかった」わけではなく「いつなってもおかしくない状況」だったというケースがほとんどです。腰痛になりにくい体をつくるためにも姿勢は重要なのです。
最後に、このたびNHK教育テレビ「となりの子育て」にゲストとして出演することになりました。テーマは『目指せ!「姿勢」優良児』です。「姿勢」の大切さを一人でも多くの人に伝えられたら、と思っています。興味のある方は是非ご覧ください。お子さん対象になっていますが、一般の方にも十分参考になる内容です。
- 碓田 拓磨D.C.(うすだ たくま)
- 1967年 長野県生まれ
1992年3月 早稲田大学社会科学部卒業
1992年4月 (株)リクルート入社
2001年3月 米国アイオワ州パーマーカイロプラクティック大学卒業
2002年2月 虎ノ門カイロプラクティック院開業
2005年4月 早稲田大学オープンカレッジ「姿勢と健康」講師
2010年 一般社団法人日本姿勢教育協会理事
「健康な人はなぜ姿勢がいいのか」(主婦の友社)
「即効1分間キャットレッチ 肩こり・腰痛 こんなにラクになるなんて(青春出版)
テレビ出演
となりの子育て(NHK教育)
世界一受けたい授業(日本テレビ)
ホンマでっか!?TV(フジテレビ)
あさイチ(NHK)
はなまるマーケット(TBSテレビ)
首都圏ネットワーク(NHK)
あげるテレビ(フジテレビ)